経理本来の業務より、他の業務に時間がかかっている!?

経理部門の悩み・不満の中でも特に大きいものの一つが、日々の業務が多忙で「経理本来の業務」に充てる時間が少ない、というものが挙げられます。

会計処理、財務報告、税務申告、内部統制、予算管理、資金管理など、これらの業務は、経理部門が企業の財務健全性を確保し、正確な財務情報を提供するために行う主要な業務です。また、法的規制や税法の遵守、内部統制の維持なども担当しており、企業の経営において重要な役割を果たしています。

しかし、現実には様々な業務に追われて本来の経理業務を行う時間が圧迫されてしまっています。

・来客対応と電話対応

度々の来客や電話対応が入ることで、本来の業務が中断してしまったり、別の対応が発生することもあるため、業務に集中するのが難しくなります。

・社内の相談と連絡対応

他の部署からの相談やそれに関する連絡対応が必要となることもあります。複数間の部署との連携になることもあるため、それらの対応をすることで物理的に時間を要します。

・突発的な業務

他部署からの急な支払いや請求書の処理依頼、突然の財務データの不正確を検出した場合など、その原因の調査や修正が急務となることや、税務署や監査機関などからの調査に関する情報提供の対応など突発的に経理部門に求められる業務があります。

・PC環境の不整備

最適なPCやツールが提供されていないことは大きな課題です。環境が整っていないが故にPC内で完結できず外出をしなくてはならなかったり、ツールが導入されていないために作業時間が多くかかってしまったりなど時間の浪費につながります。

以上のような業務が経理部門における本来業務を行う時間をかなり圧迫しています。

ある企業様で調査したところ、一日の稼働時間を100%とすると、20%が経理業務で80%が経理以外の業務であることが分かりました。

では、どうしたら本来の経理業務への時間を確保することができるでしょうか?

参考の一例になりますが・・・

・来客・電話対応の見直し

来客は、アポイント担当者が最初から最後まで対応する。電話番号の非公開や担当部署への転送など、経理部門のメンバーが窓口にならないようにすることで来客対応や電話対応にかかる時間が減ります。

・業務プロセスの見直し

質問・相談事項など、経理部門内のプロセスを見直し、効率化できる領域を特定しましょう。自動化できるタスクは自動化したり、依頼方法をルール化するなど、依頼者・対応者の両者にとってスムーズに業務が運ぶようにします。

・適切なツールの導入、最適化

経理業務をサポートするために、最適なPCやツールの導入を検討しましょう。例えば、デュアルモニターの用意、有料ツールの利用、運用ルールの徹底など、これらにより業務効率が格段に向上し、時間の浪費を大幅に軽減できます。

経理の本来の業務に集中したくても時間が無い。なぜそうなのか、他業務にかなり多くの時間が費やされていることを改めて意識し、通常業務の中で見直しを検討する必要があるかもしれません。