経理部門の退職問題

新年明けましておめでとうございます。本年も経理に関するさまざまなトピックを当ブログでお伝えして参りたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2024年初回のテーマは

「経理部門の退職問題に対処するための戦略」について、お話させていただきたいと思います。

経理部門における社員やメンバーの退職は、特に3月末や6月末、12月末などに多く発生していないでしょうか。退職者が出るタイミングに合わせた円滑な対応が求められる中で、企業としては退職者が出るかもしれないということを事前に想定した上で、もし退職者が出た場合にどう対処するかを考える必要があります。

先程も申し上げた通り、例えば、3月末は年度末であり、12月末や6月末はボーナスを受け取った後に退職するメンバーが多い傾向があります。

経理部門の人材に関して言うと、経理部門の業務は専門性が高く、新たなメンバーを採用するには一定の時間がかかります。そのため、退職者が通知する期間が余裕を持った期間だとしても、新しいメンバーの採用には時間がかかってしまうのが現状です。

経理部門における退職問題は、単なる人事の課題ではなく、企業の安定性と業務継続性に影響を与える重要な要素です。採用活動を即時に行うことを前提として、退職者が発生した場合に、出来る限りその期間の業務を円滑に進めていくにはどうしたら良いのでしょうか。

1.マニュアル化とルール整備

経理部門の業務には専門性や特殊性があります。そのため、メンバーが共通で作業可能なマニュアル化とルール整備が不可欠です。そして適宜アップデートし運用する必要があります。

2.アウトソーシングの活用

一時的な人員不足や月末月初など業務が一定のピークを迎える時期があるかもしれません。このような時期に、経理業務の一部を外部の専門業者にアウトソーシングすることも検討の余地があります。特に定期的な業務を外部に委託することで、内部メンバーは本質的な業務に集中でき、リソースの効果的な活用が可能になりますし、業務の安定性を維持することが出来ます。

3.システム化

経理業務の一部は自動化が可能であり、システム化によって業務の効率向上が期待できます。経理ソフトウェアやデジタルツールの導入により、ルーチンワークを削減し、メンバーがより戦略的かつ価値のある業務に専念できるようになります。これにより、人員が一時的に不足しても業務の遅延を最小限に抑えることが可能です。

4.ナレッジ共有とトレーニングプログラムの強化

退職者が持っていた知識やスキルは、組織内で失われることなく共有されるべきです。メンバー全員が共通認識として携われるマニュアルへそれらの知識を残すことも大切です。

また、マニュアルやトレーニングプログラムの充実化により、メンバー間での情報共有を促進し、新規メンバーが迅速に業務に慣れる手助けにもなります。

経理部門における退職問題には、単なる人員の採用だけでなく、戦略的なアプローチと柔軟性が必要です。システム化や効率向上の取り組み、外部リソースの活用など、多岐にわたる手段を組み合わせ、経理部門の安定的な運営を確立していくことが不可欠です。