先日お引き受けした案件で、改めて経理の重要性とリモート経理の利便性を感じたので、こちらのブログにまとめてみました。
■特急案件は突然に
今回ご依頼いただいたクライアント様は1月決算。3月末までに申告をしないといけないのですが、なんとご依頼頂いたのが3月前半。まだ何も着手されていなかったとのこと。
特急案件だったので単価も高くなってしまいましたが、領収書の整理整頓・仕訳起こしで1,000枚程度ということでしたので、お引き受けいたしました。
●蓋を開けたら…
いざ作業開始。紙で保存されていた全領収書をPDF化。
4名のスタッフの力を借りて仕訳起こしをして、
先方の会計ソフトへのインポートデータを作成していました。
しかし、やってもやっても終わらないんですね。1,000枚は絶対終わってるんですが、なぜか領収書の山が小さくならない。
申告期限を考えるとこの作業は2週間以内で終わらせないといけないので、もう急ピッチで進めました。
結果、最終的な集計で、領収書の枚数は約4,500枚ありました(笑)
クライアント様も把握されていなかったようです。
約6日間、朝9時から夜2時までPDF化の作業をしてました。。。
平行してPDFをメンバーに仕訳起こししてもらい、何とかすべて期日通り間に合わせることができて心底ホッとしました。
みんなありがとー!!
■どんな規模でも、経理の重要性は変わらない
今回のご依頼を通して、個人でも大企業でも経理の重要性は変わらないと、
改めて実感しました。
特に今回のクライアント様は、領収書の枚数さえ正確に把握されていないほど、
バックオフィスが崩壊していた状態です。
一般的に経理業務が破綻していると以下のような弊害も想定されます。
●黒字倒産
経理が破綻し、資金管理ができないと、最悪の場合黒字倒産というものになります。
黒字倒産とは、会計上の利益は出ているのに倒産に追い込まれる現象です。
黒字倒産の原因は、会社の中に現金がないことが大半です。売掛金と買掛金の入出金タイミングがあわず、会計上は黒字が出ているにもかかわらず、現金という支払い能力がなくなってしまったために、事業の継続ができなくなってしまいます。
究極的な話、会計上の利益とキャッシュフローの管理さえできていれば、
運転資金は0円でも事業は回せます。
出金より先に入金をさせてしまえばよいので、経理がしっかりスケジュール管理をし、必要に応じて売掛金の回収催促やファクタリングといった手法を用いれば、現金の枯渇を防ぐことが可能です。
このように、経理がしっかりと機能しており、入出金のスケジュール管理や現金残高の管理ができていれば、黒字倒産といった事態には陥りません。
●資金繰りの悪化
黒字倒産とまではいかなくても、資金繰りの悪化は必ず起こります。経理がうまく機能していないと、入出金の管理ができなくなっていくので、スケジュールの管理ができなくなっていくのです。
資金繰りに悩む会社でよく起こりがちなのが、「さらに売り上げを上げなければ」と突き進んでしまうことです。
手元に現金がないにもかかわらず、さらに売り上げを伸ばすために遠方への出張や広告出稿量を増やすなどをしてしまいます。
もし仮に、これらの施策によって売り上げが急増したとしても、黒字倒産の危機に近づくだけです。売り上げが急増しても、利益が現金になる前に、仕入れコストなどの出金が増える可能性があるためです。
経理がしっかりと機能していれば、現金不足の原因を特定し、支払い間隔の調整やファクタリング、適切な借り入れなどによって対応ができます。
●借入ができなくなる
資金繰りは会社の健康状態そのものといっても過言ではありません。
「経営ベタな」会社だと銀行から判断されてしまうと、例え会計上の利益があったとしても、融資を受けられない可能性が出てきます。
仮に融資を受けられたとしても、通常よりも高い金利が設定されることが多いものです。
●過剰な在庫を抱える
在庫管理は経理の仕事ではなさそうに見えますが、最終的に現金も在庫も貸借対照表に記載されますので、経理にとっては立派な分析対象です。
貸借対照表が作成されていれば、在庫の回転率などをしっかりと分析して、生産体制の見直しや適切な営業戦略の見直しに結びつけることができます。
完成品が売れ残ってしまっているのか、仕掛品が過剰にあるのか、その状態によってとるべき対策は変わってくるものです。
業種にもよりますが、基本的には月に1度の月次決算を行い、在庫・現金の状況は把握しなければなりません。
■リモート経理の利便性
今回のクライアント様については、申告期限当月まで仕訳さえしていない状態でした。
おそらく売上の管理や資金繰りも、社長の頭の中だけで特に問題が無かったのでこの状況だったのだと考えられますが、経理を適正に行っていれば、節税などで数百万単位で利益を増やすことができたのではないかと想像できます。
ここからは経理がうまく回っていない時にこその、リモート経理の利便性についてまとめていきたいと思います。
●とりあえず相談する
経理業務は簿記などの一定の専門知識が必要になるものです。このため、経営者の方の中には、いざとなった時「どうしたらいいかわからない」と止まってしまう方もいらっしゃいます。
今回のクライアント様は、「どうしたらいいかわからない」という状態でしたが、止まることなく弊社に相談・アウトソースいただきましたので、何とか間に合わせることができました。
リモート経理はテレワークで1人社員を雇うでもよいですし、弊社のようなBPO会社に依頼するのでもよいです。
ただ、社員を雇うとなると教育などといった時間がとられてしまいますので、すでに経理が回っていない状態ならば、いったんBPO会社に丸投げしてしまうのも手だと思います。
●多少の無理も効く
単価は高くなってしまいますが、BPOによるリモート経理なら多少の無理も効きます。
近年は働き方改革により、従業員に頑張ってもらうことも難しくなっている会社も少なくありません。
この点、BPOなどのリモート経理なら、リソースの調整等により多少納期が厳しくても対応できる可能性があります。
今回の案件も、私を含めたスタッフ総勢5名で10日間取り組みました(笑)
●正しい数値が手に入る
経理業務で何よりも重要なことは、正しい経営判断のための数値をまとめることにあります。いかに早く、いかに正確に集計しまとめていくかが課題になり、そのためのインフラ構築(資料の提出方法、資料の処理方法、作業メンバーへの展開方法などなど)が重要となります。
弊社のサービスである月次決算構築のサービスは、こうした経営判断を行っていくための体制構築をお手伝いするサービスです。
在庫の回転率・現金の状況・営業活動の費用対効果等々、PDCAを高速で回していくためには、経理の出す数値は必要不可欠です。
■リモート経理の駆け込み寺
これまで見てきたように、経理業務は破綻すると資金繰りだけでなく、経営判断そのものを鈍らせてしまう恐れがあります。
このため、ある程度数字が動くようになってきたら、人を雇うなり外注するなりをしなければなりません。
弊社のサービスなら、従業員の育成コストもかからず、月1で正しい数値をもとにした経営判断が可能になります。
単純に作業が間に合わないといった相談でも、今回の事例のようにお引き受けできますので、お気軽にご相談ください。