経理業務におけるオンライン口座開設のメリットと生産性向上

銀行のオンライン口座があれば便利だとは思うけれど、口座開設がなかなか進まないという話をよく聞きます。様々な理由によってスムーズに進んでいないことかと思いますが、そうしている間にも無駄なコストが実は発生していること、経理部門の生産性に影響を及ぼしているというデメリットがあります。今回はオンライン口座開設についてお話したいと思います。

・オンライン口座がないことでの無駄なコストとは?

担当社員が銀行窓口に行って必要な手続きをこれまで行っているので、オンライン口座がなくてもこれまで通り窓口に行けば大丈夫!と思われることもあるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

社員が窓口に行くということは、物理的な銀行へ行くための移動コストはもちろん、社員の業務時間のコストが発生しています。社員の時間は決して無料ではありません。月末や混んでいる時間帯などでは、銀行窓口での手続きに要する時間は数時間といったケースも珍しくありません。

窓口に行って手続きをするということは、オンライン口座があれば発生しない無駄な業務時間とコストが気づかないうちに発生しているということがご理解いただけたのではないでしょうか。

これまで窓口に行っていたという長年の慣習、ルーチン化されている業務はプロセスを疑問視せず、変更する必要性を感じにくいため、優先順位が低く捉えられてしまいがちです。しかし、ここを変えていかない限りは気づかないうちに時間もコストも無駄に発生し続けているのが現状です。

・オンライン口座はどんなメリットがあるのか?

オンライン口座を利用することで、銀行へ行く手間や時間が省け、取引がオンライン上で瞬時に行えるため、業務プロセスのスピードが向上します。

そして、オンライン口座を通じて取引履歴や残高情報を容易に取得できます。これにより、経理部門はリアルタイムで会社の財務状況を把握し、精密なデータ分析やレポート作成が可能になります。さらに、オンライン上での取引履歴や承認プロセスもトレースしやすく、内部統制を強化する手段としても活用できます。

コスト面では、ペーパーレスな取引が増えるため、印刷や郵送にかかるコストも低減できます。そして、物理的な銀行へ行くための移動コストや社員の時間コストを削減できるという大きなメリットもあります。

オンライン口座は24時間365日アクセス可能です。これにより、急な取引や支払いが必要な場合でも、時間や場所を選ばずに対応できます。窓口では対応時間がありますので、急な対応が難しいこともありますね。

いくつかのポイントをお話しましたが、オンライン口座の導入は、経理業務において大きなコスト削減、効率性、迅速性、データ分析など利点だらけです。

・なぜオンライン口座の開設が進まない?

オンライン口座開設手続きは、必要な書類や情報の提供が必要になるため、これに対処するための時間とリソースが必要です。手続き書類の内容自体は難易度が決して高いものではありませんが、適切な認証や書類を提供する必要があり、ここに関しては時間と労力がかかる場合もあるため、経理部門の人員が本来の業務に専念できなくなる可能性があります。結果として、経理部門では日々の業務やプロジェクトがある中で、口座開設手続きが優先度の低いタスクとして後回しにされてしまうことがあります。

では、どうやって進めていくのが良いのでしょうか。

いくつか方法があると思います。例えば、通常業務とは切り分けて、口座開設手続きを担当する専任のスタッフを割り当てることで、手続きを迅速に対応できる環境を整えます。

自社での人員確保が難しい場合は、アウトソーシングを検討します。口座開設手続きを外部の専門機関に業務委託・アウトソーシングすることで、経理部門の負担を軽減し、人員を本来の経理業務に集中させることが可能です。

オンライン口座開設まで一時的に負担がかかることもあるかもしれませんが、オンライン口座開設が整えば、経理部門の業務効率は格段に向上します。口座開設のプロセスは自社に合った適切な手段を検討し、進めてみてはいかがでしょうか。