バックオフィス業務におけるマニュアル作成のメリットとデメリット

インボイス制度への対応や電子帳簿保存法への対応など経理を中心とする企業のバックオフィスではここ数か月で特にマニュアルのアップデートの必要性に迫られる機会が多くなってきています。

そもそも「業務マニュアル」はあったほうが良いとは思いつつ、いざ作ることになると時間や手間がかかるため、他の業務との兼ね合いから優先順位が下がって後回しになってしまうといったお話をよく耳にします。そこで今回はバックオフィス業務におけるマニュアル作成のメリットとデメリットについてお話させていただきます。

【バックオフィス業務におけるマニュアル作成のメリット】

1.情報共有の効率化

マニュアルは特定のプロセスや手順に関する情報をまとめたものであり、組織内での情報共有を効率化します。また、チームメンバーはマニュアルを参照することで一貫性のある作業やタスクの実行が可能です。

2.新入社員の教育・研修

マニュアルがあることで新入社員の教育や研修などがスムーズに行えます。

3.ミスの削減

マニュアルに基づいた作業は、手順やガイドラインに沿って行われるため、ミスやエラーの発生を減らす効果があります。正確かつ効率的な業務の実行が可能になります。

4.標準化と品質管理

マニュアルを作成することで、組織内での作業やプロセスの標準化が促進されます。標準化により、品質管理が向上し、一貫性のある成果物やサービスの提供が可能となります。

【バックオフィス業務におけるマニュアル作成のデメリット】

1.更新とメンテナンスの必要性

マニュアルは組織や業務の変化に応じて更新する必要があります。新しい手順の追加、既存の情報の修正などが必要となるためメンテナンスが必要です。ただし、バックオフィス業務は比較的トレンドや会社の戦略に影響を受けにくい業務が多いため、一度作っておけば数か月あるいは年単位に一度程度のメンテナンスで十分対応できるため、更新・メンテナンスにかかる工数は軽微と言えるでしょう。

2.情報の陳腐化

マニュアルは作成時点での情報を反映していますが、時間が経つにつれて情報が陳腐化する可能性があります。そのため上記の通りメンテナンスが必要になります。こちらも前述と同様でバックオフィス業務は業界や職種を問わない汎用的で共通的な内容も多いため今回のようにインボイスや電子帳簿保存法といった大きなトレンド以外はそこまで情報が古くなることは考えにくい領域であると言えます。

3.マニュアル作成の時間、リソース、担務

通常業務を行いながらマニュアル作成を行おうと思うとどうしても優先順位が下がってしまい、納期が遅れてしまうことがあります。しっかりと会社としてマニュアル作成に対する目的や優先順位を明確にしたうえで担当をアサインし、評価にもしっかり反映させるところまで準備を行うことが重要になります。

いかがでしょうか。これらのメリットとデメリットを考慮しながら、組織や業務のニーズに合わせてマニュアルの作成を検討していただけたらと思います。

また、弊社ipartnersではバックオフィス業務の外注、業務委託を受けるだけでなく、その中で業務ヒアリングと実作業を通じてマニュアル作成を行い、バックオフィスのスタッフの皆様が自走できる環境構築もご支援しています。

※参考まで、弊社が作成したマニュアルの一部抜粋です。