経理業務は正確さが求められる分野ですが、「2%のエラーも許されない」という極端な思考は、業務の効率化を妨げる要因となることが少なくありません。
企業における経理業務の改善を考えるとき、私たちは100%の完璧を目指すのではなく、全体業務の効率を重視し、98%の成功を取るという視点が重要だと考えます。
そもそも、2%のエラーを避けるために、効率化を犠牲にするのはなぜなのでしょう。
エラーを発生させないために、複数回の確認作業や時間のかかるプロセスを行っていることもしばしばかと思います。しかし、このエラーを許さない「完璧主義」が過剰になると、本来得られるべき効率化の恩恵が失われてしまいます。
98%の成功を優先することは、経理業務をより迅速かつ効果的に進めるための第一歩ではないでしょうか。98%が効率化されたら、たとえ2%のエラーが発生したとしても、業務全般は格段に効率化されているので、その2%のエラーをリカバリーすることは容易でしょう。
経理を含むバックオフィス業務において、情報インフラが整理されていないケースもよく聞きますが、これはとても大きな問題です。特定の担当者だけが重要な情報を持っている、データが分散している、システムの連携が不足しているといった状況では、業務がスムーズに遂行されないことはもちろん、ミスの発生も起こり、そのため業務全体の効率を下げてしまいます。情報インフラの整備は業務改善するにあたってのキーポイントでもあります。
そして、少し厳しい言い方になりますが、無駄な「やっている感」は排除したいものです。
経理業務の中には、多くの確認作業や承認フローが「やっている感」を生み出していることもあります。さらには、特定の一人にだけ業務や情報が集中している場合は「その人がいないと回らない」ような現象が垣間見えます。
こうした状況は、一見変えることが難しいように見えるかもしれません。いわゆる「ベテランの〇〇さんに聞かないとわからない。」といった状況ですが、特定の人しか分からない、出来ないということは、スムーズな業務遂行を妨げる要因です。
無駄なプロセスを省き、必要な情報が必要としている人に正しく届くよう、全員が共通した情報を得られるよう、情報インフラを整理することで、経理チームをはじめとして業務全体がスムーズに機能するようになります。
経理業務の改善を進めるには、業務全体を見直すことが重要です。
完璧を追求するよりも、効率を重視したアプローチが求められています。自動化ツールやデジタル化を積極的に取り入れることも重要です。2%のエラーを恐れずに、98%の成功を目指すことで、企業はより高い生産性と競争力を手に入れることができるのです。
少し視点を変えてみましょう。仕事ができる人とできない人の差は、単にスキルや知識の違いだけではなく、いくつかの重要な要素に基づいています。以下に、仕事ができる人が共通して持っている特徴や習慣を挙げてみます。
1. 優先順位の明確化と時間管理
仕事ができる人は、常に重要なタスクを優先し、効率的に時間を管理します。「今、何が最もすべき作業か?」を理解しており、他の雑多な作業に時間を取られずに集中できます。一方、仕事ができない人は、優先順位を誤り、重要ではない作業に時間を費やしてしまいがちです。
2. 自主性と自己決定力
仕事ができる人は、自ら進んで行動し、問題が発生したときに迅速に解決策を見つけようとします。自主性があり、他者に依存することなく自分で決定を下す能力を持っています。これに対して、仕事ができない人は、指示を待ちすぎたり、決断力が欠けていたりするため、結果的に行動が遅れてしまいます。
3. コミュニケーション能力
優れたコミュニケーションは、仕事の質を大きく左右します。仕事ができる人は、他者との情報共有や意見交換を円滑に行い、チームや顧客との関係性を良好に保つ力があります。質問や問題解決の際に適切な人と適切なタイミングで話すスキルを持っています。一方、コミュニケーションが苦手な人は、情報が滞りやすく、誤解やトラブルが増える傾向にあります。
4. 柔軟な思考と問題解決能力
仕事ができる人は、状況に応じて柔軟に対応し、予想外の問題にも冷静に対応できます。問題に直面したとき、あらゆる角度から解決策を探し、適応力を発揮します。逆に、仕事ができない人は、変化に対応するのが苦手で、思考が硬直しやすく、想定外の事態に対応するのに時間がかかります。
5. 学び続ける姿勢
仕事ができる人は、常に新しい知識やスキルを学び続ける意欲があります。現状に満足せず、自己成長を求めて努力します。学びや改善に対する意欲が低く、現状に甘んじてしまうことは、成長の機会を失っていくのです。
このように、仕事ができる人はスキルを学ぶだけでなく、考え方や行動パターンを見直し、成長を意識していることがよく分かります。業務改善も同様のことだと言えます。新たなツールを入れる際や、これまでのやり方を変えるとき、必ずと言っていいほど何かしらのエラーや問題が発生します。しかし、それを乗り越えればその先には成功があるのです。2%のエラーにこだわり、98%の成功をつかまないのはもったいないと思いませんか?