ChatGPTに聞いてみた「経理業務の課題」2年前と何が違う?

「ChatGPT」もう多くの方が、この言葉を聞いたことがあり、今となっては、みなさんの生活の中でも使われていることも珍しくありません。

2023年に書いたブログで、ChatGPTに「経理の業務 課題を10個上げて」と聞いてみたという内容を書きました。当時はまだまだChatGPTは、一部の方がご存知であったり、使ってみたことがあるという方は少なかったかもしれません。

約2年半経った今、改めてChatGPTに「経理の業務 課題を10個上げて」と聞いてみたら、どうなっているのだろうかと、再度同じ質問をしてみました!

私の中では、きっとこうなんだろうなという答えを予想していたのですが・・・

みなさんは、この約2年で「経理の業務 課題」はどうなっていると思いますか?

ChatGPTに「経理の業務 課題を10個上げて」と聞いてみたら、以下の10個があがってきました。

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1. 仕訳・入力作業の属人化

 担当者しかわからない処理ルールや勘定科目判断が多く、引き継ぎや教育に時間がかかる。

2. 請求書・領収書処理の非効率化

 紙での受領や手入力によるミス・遅延が発生し、月末月初の業務負荷が集中する。

3. 支払・振込処理の手作業依存

 インターネットバンキングへの手入力や承認フローの煩雑さがボトルネックになる。

4. 経費精算の遅延・不備

 従業員からの提出が遅い/不備が多いなどで、締め処理が後ろ倒しになる。

5. 月次決算のスピードが遅い

 集計・照合作業に時間がかかり、経営判断に必要な数字をタイムリーに出せない。

6. システム・ツールの分断

 会計ソフト、給与、請求、稟議などがバラバラで、データ連携ができず二重入力が発生する。

7. 内部統制・チェック体制の不十分さ

 ミス防止や不正防止のルールが形骸化し、監査対応で手間が増える。

8. 最新法令・制度改正への対応負担

 インボイス制度や電子帳簿保存法など、頻繁に変わる制度対応に時間を取られる。

9. 経理データの活用不足

 日々の記帳はできても、経営分析や予実管理など“次のアクション”に活かせていない。

10. 人材不足・育成の難しさ

 専門性が高い一方で属人化しやすく、採用・育成・引き継ぎが難しい。

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あくまで、ChatGPTから出た回答なので、正確性などについてはこちらでは言及しませんが、

いずれもこのような問題は多くの企業さまが抱えている内容ではないでしょうか。

ちなみに、以前ChatGPTに聞いた際の回答は以下10個でした。

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1. 請求書の発行と送付に時間がかかる

2. 買掛金の管理が難しい

3. 帳簿の記載が不備で、請求と支払いの金額に誤りがある

4. 税務申告書の提出期限を過ぎてしまうことがある

5. 会計ソフトウェアの操作に不慣れなため、取り違えや重複登録のミスが生じる

6. 資金不足で請求書の支払いが遅れることがある

7. 小口現金の扱いが煩雑で、会社の金銭的な信頼性が損なわれることがある

8. 仕訳帳の欠落や不備があるため、予算管理が十分にできない

9. 月次の決算書作成が時間がかかり、業務の効率が悪い

10. 領収書や請求書の紛失が多発し、会計資料の正確性が保たれない

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結論から言うと、「課題の本質」自体はあまり変わっていません。

これは、私の予想通りでした。

経理の課題は、大きくは変わることはありません。ただし、テクノロジーの進化と法制度の変化によって、課題の「現れ方」や「優先順位」はこの2年間で大きく変わっています。

では、この2年間(2023年〜2025年)でどのような変化があったのか、考えてみました。

① デジタル化・自動化によって“紙・手作業”の課題は減少傾向

2年前は「請求書の送付に時間がかかる」「領収書の紛失」など“紙ベース”の課題が中心でした。まだデジタル化・自動化が進んでいないという企業さまも多くいらっしゃいますが、今は請求書作業におけるデジタル化はかなり進んできており、紙処理の遅延や紛失は減少してきています。

しかし、デジタル化・クラウド管理などが進む一方で、「システム間連携ができない」「データ整備・マスタ管理が追いつかない」など、デジタル化に際して次の課題が顕在化してきてます。

② インボイス制度・電子帳簿保存法への対応 新たな負担に

2023年10月にインボイス制度が開始され、電子帳簿保存法が義務化となりました。

これにより、「法対応への知識不足」「経理ルールのアップデートが追いつかない」「取引先対応が煩雑」などの新課題が発生しました。処理の遅れよりも“制度理解と運用整備”に頭を悩ませるケースが増えたのではないでしょうか。

③ 人材・体制面の課題が深刻化

経理人材の採用難・高齢化・属人化がより顕著に。特にスタートアップや中小企業では「1人経理」「バックオフィス兼務」が当たり前になり、負担過多と知識不足が問題となっています。ここに関しては、AIやクラウドツールの普及だけでは解決しきれていない領域のため、対策が必要となっています。

④AI・RPA・クラウド経理ツールの進化

昨今では、会計ソフトにもAIアシスト機能が登場しています。単純な入力ミスや勘定科目の選定は自動化が進む一方で、「自動化ルール設計」や「システム選定・統合」など、自動化からもう一歩先のスキルを要するようになってきました。これまでは「手作業」の負担だったものが、「仕組みを動かす」部分へとシフトしています。

今回は、ChatGPTに聞く「経理の業務課題」について、この2年間ほどの違いについて話してきましたが、みなさまはどのように感じられたでしょうか。

ipartnersでも、この2年間新しいデジタル手法を取り入れ、新たなナレッジを蓄積してまいりました。これからもクライアント企業さまへ安心して我々に業務をお任せいただけるよう、今後も尽力していきたいと思います。