公認会計士と税理士は経理の日常業務を行うのか?経理実務の分担と役割

先日友人と話していた時のこと。顧問税理士さんを変更したら、社員さんの給与の振込などの業務が新しい税理士さんが上手くできずトラブルが発生し、対処に大変時間がかかってしまい大変だったという話を聞きました。

その話を聞いてふと頭をよぎったことは、企業の経理業務で意外とよくある誤解があり、まさにここでもその誤解がトラブルの原因だということです。

それは、「会計士さんや税理士さんと契約したら経理業務は問題ない(全てうまく税理士さんがやってくれる)」」というイメージです。

よく勘違いされていることが多いのですが、普通は会計士さんや税理士はいわゆる経理の日常業務は行いません。つまり、経理の実務である仕訳や請求、支払等は行わないのです。

今回は、その理由と背景についてこの記事でわかりやすく解説していきたいと思います。

例えば、上場を目指す企業にとって、公認会計士や税理士の存在は欠かせません。

しかし、誤解されがちなのが、「日常の経理業務をやってくれる」という認識。

これは全く違います。

公認会計士は「チェックする人」であって、「作業する人」ではないのです。公認会計士は、会社の帳簿が正しく付けられているか、決算書が正しく作られているかをチェックする役割です。

【公認会計士の主な仕事】

・IPO支援(内部統制・開示書類等)

・上場企業の会計監査

・M&A・デューデリジェンス

・経営アドバイザリー

➡ 日々の経理実務(仕訳・請求・支払・経費精算)は該当しません。

税理士は、法人税・消費税などの税務申告や税務相談を行います。

【税理士の主な仕事】

・税務申告(法人税・消費税等)

・節税相談・税務調査対応

・事業承継・相続対策

➡ 経理部門の日々のオペレーションや実務は該当しません。

では、経理の日常業務は誰がやるのでしょうか?

上場企業でも中小企業でも、日常の経理業務を担うのは、言うまでもないですが、「社内の経理担当者」ですよね。日々の仕訳・請求・支払・管理資料の作成などは、社内経理部門が行うのが一般的です。必要に応じて、外部のアウトソーシングサービスを活用するケースも増えてきています。

■ 作業の分担イメージ

≪業務内容≫ ≪担当者≫
日常の仕訳・振込 社内経理
月次決算・管理会計社内経理
税務申告税理士
監査・証明業務会計士(監査法人)

会計士や税理士は、それぞれの専門領域で会社を支えますが、経理実務は行いません。日々の経理業務は、自社か経理アウトソーシングで担当者を据えて行うことになります。

こうした経理のお悩みは、私たちアイパートナーズでも解決のお手伝いをさせてもらっています。アイパートナーズは、単なる経理業務の代行ではありません。経理に関する「属人化」「非効率」「不透明な業務フロー」を根本から見直し、会社全体のバックオフィスを設計・改善します。

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